ChatGPTに記事の下書きを頼んだのに、内容がざっくりしている。「もっと具体的に」と頼み直しても、似たような説明が増えるだけ。そんなときは、長いプロンプトを探す前に、誰の、どの疑問に答えてほしいかを1行で書いてみてください。
私も記事の「注意点」の下に、テーマ全体に当てはまる説明が出てしまうことがありました。そこで必要だったのは、文章を増やすことではなく、その記事の読者に必要な情報へ絞り直すことでした。
この記事でできるようになること
自分の指示に足りない情報を見つけ、目的・対象・材料・完成形をそろえたプロンプトを作れます。さらに、回答が違ったときの追加指示まで、1つの下書きで試せます。
私はブログを含め約300〜400記事を書き、現在はフリーランスとして活動しています。ここでは、文章を作って直してきた経験をもとに、ブログ・ライティングで使うプロンプトの作り方を解説します。
ChatGPTのプロンプトは、欲しい答えを共有するための指示文
プロンプトは、ChatGPTに入力する質問や指示のことです。「この文章を3行で要約して」も、「この記事の見出しを見直して」もプロンプトです。特別な記号を覚えることより、何を仕上げたいかを共有することが先です。
例えば「ブログの記事を書いて」では、テーマも読者も未定です。一方、「初めてライターに応募する人へ、参考記事の選び方を3項目で説明して」なら、誰に何を伝えるかが見えます。短さではなく、判断に必要な情報が入っているかを見てください。
OpenAIの公式プロンプトガイドでも、仕事の内容・背景・求める完成形を明確にし、回答を見て指示を調整する考え方が紹介されています。
私が「内容が薄い」と感じたとき、何を直したか
困ったのは、文章の長さより説明する対象のズレだった
M&Aに関する記事で、H2「注意点」の下のH3が、M&A全般に当てはまるざっくりした内容になっていることがありました。買収時の売り手側の注意点を知りたい人へ書くなら、全体の説明だけでは、その人の疑問に答えられません。
私はリサーチし直し、その記事のキーワードに合う内容へ修正しました。買収のときの売り手側に絞る、というように、立場と場面から説明する内容を選び直したのです。
この経験を、あなたの指示に置き換える
この経験から私がすすめるのは、「詳しくして」ではなく、何について、どの立場から詳しくするかを追加することです。読者が変われば、調べる情報も、残す見出しも変わります。
指示を作り直す例
変更前:M&Aの注意点を詳しく説明してください。
変更後:この記事では、買収を検討されている売り手側が、話を進める前に確認することを扱います。M&A全般の説明を増やすのではなく、この立場と場面に必要な論点へ絞って、見出し候補と調べる質問を分けてください。
これは経験から考えた練習用の指示例です。当時のプロンプトや回答を再現したものではありません。実際の記事では、候補を出した後に資料を確認して、どの論点を使うか決めます。
プロンプトの作り方は「目的・対象・材料・完成形」の4項目
毎回長文を書く必要はありません。下の4項目を、今回の作業に必要な分だけ埋めてください。文章の口調や文字数は、その後に加えます。
| 項目 | 決めること |
|---|---|
| 目的 | 今回は何を1つ仕上げるか。構成、導入文、段落の修正など。 |
| 対象 | 誰が、どんな場面で、何を知りたいか。 |
| 材料 | 確認済みの情報、自分の経験、元の文章。足りない部分も記す。 |
| 完成形 | 形式と、読み終えた人が判断・実行できること。 |
1.目的は、構成と本文を分けて決める
「キーワード選定から記事とSNS投稿まで全部作って」では、確認する箇所が増えます。構成を考える段階なら、まず構成だけ。本文が薄いなら、その段落だけ。結果を見て良し悪しを判断できる単位にします。
例えば、「H2とH3の案を出す。各H2には、解決する読者の疑問を1行添える」と頼めば、見出しが立派かどうかではなく、記事の目的に合うかを点検できます。
2.対象は「初心者」から、困っている1人まで絞る
同じライター初心者でも、まだ記事がない人と、記事はあるのに応募で見せる方法が分からない人では、必要な説明が違います。「実績記事は1本ある。初めて応募する案件に、その記事をどう添えるか迷っている人」のように、今の状態を入れます。
年齢・性別・年収を全部埋めるより、今回の答えが変わる条件を優先してください。相手の悩みを説明できれば、必要な情報を選びやすくなります。
3.材料は、事実と提案を混ぜずに渡す
自分の体験を使うなら、「実際に行ったこと」「覚えている結果」「まだ分からないこと」に分けてメモします。サービスの情報を使うなら、確認した資料の該当箇所や確認日も添えます。
入力していない体験や実績を、ChatGPTに補ってもらう必要はありません。資料が足りない場合は、「本文を書く前に、確認が必要な質問を出してください」と作業を変えます。
4.完成形は、文字数より「答える内容」で指定する
「500文字で」だけでは、何を入れるかは決まりません。「最初に選び方の結論、その理由、比較例、今日確認する1項目の順で」と内容も指定します。文字数は、その内容を読みやすく収めるための目安です。
文章のトーンは「です・ます調」「専門用語は初出で説明」などで十分です。「SEOに強く」「90点以上」と頼むだけでなく、完成後に何を確認するかを言葉にしてください。
そのまま埋められるプロンプトの基本テンプレート
必要な欄だけ埋めて使う作例
【今回の作業】
__を作成/修正してください。今回は__だけを扱います。
【読者】
__の状況で、__に困っている人です。
【答える疑問】
__を判断し、__に取りかかれる内容にします。
【使う材料】
確認済みの情報:__
私の実際の経験:__
未確認の点:__
【完成形】
__形式。結論・理由・具体例・次の行動を入れてください。体験や数値は材料にあるものだけ使い、情報が不足する箇所は確認項目として分けてください。
空欄のまま全部貼るより、今回必要な条件を書いてください。応募文を作るなら読者は依頼者、材料は募集内容と実績、完成形は指定された応募項目への回答です。目的が違えば、埋める中身も変わります。
回答が違ったときは、ズレの種類に合わせて追加指示する
追加指示の前に、「何が違うか」を1つ選びます。根拠がない説明を、口調の修正だけで仕上げないことがポイントです。
| 気になる点 | 次の指示・作業 |
|---|---|
| 内容が広すぎる | 今回の読者・場面に必要な論点へ絞るよう指定する。 |
| 根拠が足りない | 書き足す前に、調べる質問を出し、資料を確認する。 |
| 抽象的で動けない | 最初に開くもの、記入する項目、完成条件を入れる。 |
| 長くて読みづらい | 残す結論と具体例を指定し、重複する説明を削る。 |
| 体験を作っている | 材料にない事実を取り除き、確認済みの経験から組み直す。 |
例えば「この段落は、読者が何を準備するか分かりません。準備するものを3項目に分け、各項目に記入例を添えてください」と伝えます。修正した後は、元の文章と並べて、答えが増えたかを確認しましょう。
指示を変えても説明できないなら、プロンプトの問題ではなく、材料やテーマの理解が不足しているかもしれません。私は実際に、記事の対象へ合わせてリサーチし直しました。詳しい記事制作の流れは、一般論の下書きを直したSEO記事の作り方にまとめています。
作った回答を使う前に、3点だけ確認する
- 対象に合うか:冒頭で決めた人の疑問に答えているか。
- 情報を確かめたか:料金・制度・サービスの条件は資料と照合したか。
- 次の行動が見えるか:読者が何を開き、何を選び、何を作るか分かるか。
案件で使う場合は、AIを利用する工程と扱う情報を依頼者と確認します。クライアントの原稿や非公開情報を、許可なく外部ツールに渡す形にはしません。これは公開用の文章を完成させるための実務上の確認です。
まとめ|今日は、うまくいかなかった指示を1つ直そう
プロンプトの作り方で最初に見直すのは、言葉の上手さより、何を誰に答えるかです。私が薄い下書きを直したときも、必要だったのは対象へ合わせたリサーチと論点の選び直しでした。
過去の指示を1つ開き、「目的・対象・材料・完成形」を追記してください。その結果を見て、まだ違う箇所にだけ追加指示を出します。使える部分を残し、不足している部分を直す。この繰り返しで、自分の作業に合う指示を育てましょう。
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