自分の名前が載った記事はある。でも、スクールで添削してもらった記事や、報酬が発生していない記事を「実績」として紹介してよいのか迷っていませんか。
自分が執筆に関わった記名記事は、文章や担当した作業を伝える材料になります。ただし、名前が載っていることだけで、自由に転載できる、有償案件の実績として説明できる、専門家としての資格を証明できる、という意味にはなりません。
私は2020年ごろ、web+の旧コースで学び、同スクールの自社メディア向けに約30記事を執筆しました。添削と修正を経て実際に掲載され、記名記事にもなっています。その経験をもとに、この記事では記名記事を誤解を生まない形で見せる方法に絞って解説します。
この記事で分かること
- 記名記事を実績として紹介する前に確認すること
- 添削付き・無報酬・匿名の作品の説明の違い
- 担当範囲が伝わる紹介文と、掲載許可を確認する文面
- 記名記事がない場合の代替案
ポートフォリオ全体の構成や作成手順は、Webライターのポートフォリオに載せる内容で解説しています。この記事では「作品をどこまで、どう紹介してよいか」を中心に扱います。
記名記事は実績になる。ただし「何の実績か」を分けよう
文章のサンプルと、有償受注の実績は同じではない
発注者にとって知りたいのは、名前があるかどうかだけではありません。どんな読者に向けて、どの工程を担当し、どんな文章を書けるのかです。公開記事のURLは完成した文章を確認してもらえる一方、そのURLだけでは制作の過程までは伝わりません。
スクールの課題で書いた記事なら「受講中に執筆し、添削後に公開された記事」と説明できます。仕事として受注していないものを「クライアントから受注した案件」と表現しないことが大切です。報酬がなかった記事でも、執筆サンプルとしての役割までなくなるわけではありません。
名前があるだけで、専門性や成果は証明できない
記名は、執筆に関わった人を示す情報の一つです。しかし、監修者が別にいる場合や編集者の修正がある場合もあります。「全部を自力で完成させた」「この記事で売上が増えた」といった説明は、事実として確認できる範囲だけにしましょう。
資格や専門家としての立場、検索順位や売上の成果は、それぞれ別の情報です。数字を確認できない場合は、記事の目的や担当工程を具体的に示す方が誠実です。
私がweb+で約30記事を執筆した経験
実績ゼロから、添削と修正を経て記名記事になった
受講前の私は、ライティングの実績がありませんでした。web+でSEO、ペルソナ、コピーライティング、ブログ運営、検索意図の考え方などを学び、その後にライターの案件へ応募しています。ライターとして受けた仕事はすべて受講後です。
私が受講した当時のコースでは、公開できるレベルになるまで修正とフィードバックがありました。添削回数は無制限で、自社メディアに掲載する記事を約30本書きました。卒業で執筆機会が終わるという形ではなく、いつでも記事を書かせてもらえていました。
ここで書いているのは、2020年ごろに私が受講した旧コースの経験です。現在のコース内容や、別のスクールでも同じ条件があるとは限りません。
受講後に案件を取れたが、記名記事だけの効果とは言えない
受講後は、文字単価1円程度の案件に通るようになり、少しして2円の法律系案件をいただきました。その案件は現在も継続しています。ただし、どの記名記事が採用の決め手になったかを確認しているわけではありません。
私にとっては、公開された記事ができたことに加え、修正を繰り返して読者に合わせた文章の作り方を学んだことが大きかったと考えています。この経験を「記名記事を持てば必ず受注できる」という話にはしたくありません。
公開前に確認したい、掲載方法と担当範囲
自分が書いた記事であっても、実績としての公開に条件がある場合があります。ランサーズの公式案内でも、クライアントが非公開にしたい情報は自分の成果物であっても掲載を控え、掲載したい場合は承諾を得るよう説明しています。出典:ランサーズ「2022年3月度 品質向上委員会からのお知らせ」
契約や媒体のルールを確認し、判断がつかない点は編集担当者に聞きましょう。以下は、安全に整理するための実務上の確認表です。一律の法的な可否を判定するものではありません。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 実績公開の条件 | 契約・秘密保持・媒体ルールで、紹介できる範囲が決まっているか |
| URLの紹介 | 媒体名・記事名・URLを、ポートフォリオや応募文に掲載できるか |
| 転載・画像使用 | 本文の転載や画面画像の掲載まで許可されているか。記事内の写真など第三者素材にも注意 |
| 担当した工程 | リサーチ、構成、本文、修正、入稿のうち、実際に何を担当したか |
| 編集・添削 | どんなフィードバックを受けたか。非公開のやり取りは載せない |
| 成果の表現 | 順位・PV・売上などは、確認済みで公開許可のある数字か |
公開済みの記事にリンクすることと、本文や画像を自分のサイトへコピーすることは別です。リンク掲載の承諾を得たからといって、全文転載まで承諾されたと解釈しないようにします。この記事では、個別契約の法的判断は扱いません。
許可が不明なら、掲載方法を指定して聞く
「実績に使ってもいいですか」だけだと、相手がどの公開方法を想定したか分かりません。媒体名、URL、担当工程の説明、画像の使用有無をまとめて確認すると認識を合わせやすくなります。
掲載許可の確認文(読者向けテンプレート)
以前執筆を担当した[記事名・URL]について、私のポートフォリオと応募文で、媒体名・記事名・公開URL・担当工程を紹介してもよいでしょうか。本文の転載や画面画像の掲載は行わず、[例:本文執筆を担当。編集部の添削後に公開]と説明する予定です。公開できない情報や、指定の表記があればお知らせください。
画面画像も載せたい場合は、その用途を追加して別に確認します。返事がない状態を許可と扱わず、了承された条件をメモしておきましょう。
記名記事の紹介文は「作品・担当・学び」の順で書く
記事URLだけで終わらせず、自分の仕事を説明する
紹介する作品は、応募先が求めるテーマや作業に近いものを優先します。大量に並べるより、担当範囲が分かる作品を選ぶ方が、相手も判断しやすくなります。
実績紹介の記入テンプレート
- 記事名・掲載先・URL:[公開できるものだけ]
- 想定読者と目的:[誰の、どの疑問に答える記事か]
- 担当工程:[実際に担当した工程]
- 制作の位置づけ:[有償案件/スクール受講中の制作/自主制作など]
- 編集の有無:[添削後に公開、編集部で最終調整など]
- 工夫した点:[自分が説明できる具体的な判断]
例えば「初心者向けの記事を執筆しました」だけでは、できることが伝わりにくい場合があります。「初めて利用する人が手順を確認できる記事。本文執筆を担当し、編集部のフィードバックを受けて説明の順序を修正」のように、役割と改善内容を分けます。この文は書き方の例であり、私の特定記事の制作記録ではありません。
添削を受けたことを隠して、大きく見せない
添削付きの記事だからといって、紹介してはいけないわけではありません。ただし、添削後の完成稿を見せながら、編集者が直した部分まで自分だけの判断だったように説明しないことが大切です。
自分の担当範囲を示し、フィードバックをどう理解して修正したかを説明できると、完成稿だけでは分からない制作の姿勢も伝わります。公開できない指示書や添削画面を、その証拠として勝手に掲載する必要はありません。
記名記事がない・公開できないときの代替案
匿名記事は、許可と担当範囲が確認できれば紹介を検討する
署名がない記事でも、自分が担当したことを説明でき、紹介する条件が確認できていれば、実績として提示する余地があります。逆に、記名されていても秘密保持や公開条件を確認しないまま情報を広げるのは避けます。
媒体名やURLを出せない場合は、担当したジャンルや工程を一般化して説明できるか確認してください。一般化しても顧客が特定される情報や、非公開の数字は載せません。
掲載記事が使えないなら、自主制作サンプルを用意する
応募先に近いテーマで、自分のブログなどに公開できるサンプルを作る方法もあります。その際は「自主制作」と明記し、架空の顧客案件として紹介しないようにしましょう。他人の文章や画像をコピーしてサンプルにすることも避けます。
公開用の作品がない人向けには、Webライターのサンプル記事の作り方をまとめています。記名記事を得るためだけに、条件の悪い仕事を引き受ける必要はありません。
スクールを選ぶなら、記名実績より学べる内容と条件を見る
私はスクールで学ぶことに賛成ですが、「記名記事が作れる」だけを理由に申し込むのはおすすめしません。添削で何を学べるのか、費用を無理なく払えるか、公開先や実績利用の条件はどうなっているかを確認した方がよいと思います。
私の経験はweb+の旧コースのものであり、WritingHacksを受講した体験ではありません。サービスごとに公開条件は異なるため、別のスクールでも記名記事が得られるとは言えません。学習方法を比較する場合は、スクールの添削で何を学んだかから、ご自身の課題と照らし合わせてください。
よくある質問
報酬をもらっていない記事でも紹介できますか?
執筆サンプルとして紹介することは考えられます。ただし、公開条件を確認し、「有償受注の実績」と混同されないよう制作の位置づけを明記してください。
掲載記事が削除されたらどうすればよいですか?
リンク切れを放置せず、別の公開可能な作品に差し替えます。保存した原稿や画面画像があっても、その再掲載が許されているとは限りません。過去作品を紹介できる範囲を確認するか、新たな自主制作サンプルを用意しましょう。
記名記事は何本あれば応募できますか?
共通の必要本数はありません。募集要項で求められる作品数を確認し、その案件に近いサンプルを選びます。私が約30記事書いたことは経験の説明であり、応募に30本必要という意味ではありません。
まとめ|まず一記事の、紹介条件と担当範囲を整理しよう
記名記事は、書ける文章を見てもらう入口になります。大切なのは署名の有無だけでなく、何を担当した作品なのか、どの条件で紹介できるのかを正確に伝えることです。
今日やること
紹介したい記事を一つ選び、「掲載条件・制作の位置づけ・担当工程」をメモしてください。条件が不明なら確認文を送り、了承された範囲で紹介文を作りましょう。
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