初めてのジャンルの案件で、検索結果を何ページも読んだのに本文が書けない。書いてみても、どのジャンルにも当てはまる説明ばかりになる。未経験ジャンルのリサーチで困るのは、情報が少ないことよりも、何を理解すればその読者に答えられるのかが分からないことです。
私も、初めて扱うジャンルで知識が足りず、記事の内容が薄くなった経験があります。この記事では、その経験を踏まえ、これから同じ状況で書く人に勧めたい調査の進め方をまとめます。特定案件の原稿や顧客情報は掲載していません。以下のテンプレートは読者向けに整理したもので、当時そのまま使っていた資料ではありません。
先に結論
検索を増やす前に、「読者の立場」「記事が答える問い」「分からない用語」を決めます。そのうえで根拠を集め、見出しごとに説明できるか確認する。説明できない部分は調べ直すか、クライアントに確認してから書き始めましょう。
対象は、初めての分野の記事を任された初心者Webライターです。専門分野そのものを選びたい場合は、Webライターの専門分野の決め方を先にご覧ください。ここでは、受けたテーマをどう調べるかに絞ります。
未経験ジャンルで内容が薄くなるのはなぜか
用語を並べても、読者の判断に答えていない
知らないジャンルでは、まず用語の意味を理解する必要があります。ただ、用語説明ができることと、読者の疑問に答えられることは別です。「注意が必要」「事前に確認しましょう」で終わる本文は、何を、なぜ、どの段階で確認するのかが抜けています。
例えば「初めて業務ツールを導入する小規模事業者」と「導入済みのツールを乗り換える担当者」では、同じツールの記事でも必要な説明が変わります。前者には導入条件や初期設定、後者にはデータ移行や既存契約の扱いが重要になるかもしれません。これは説明用の例であり、私の受注案件を再現したものではありません。
テーマ全体を調べると、今回のキーワードから外れる
私はChatGPTの見出し案でも、対象が広すぎると感じたことがあります。M&A全般の注意点ではなく、買収時の売り手側に絞る必要があったケースです。そこでリサーチし直し、記事のキーワードに合う内容に修正しました。
この経験から重視しているのは、情報量を増やす前に対象を絞ることです。AIを使った原稿の見直し例は、ChatGPTでSEO記事を書く方法で詳しく紹介しています。
Webライターが未経験ジャンルをリサーチする6ステップ
1.依頼条件と読者の立場を一枚にまとめる
最初に、キーワード、想定読者、記事の目的、文字数、納期、参考資料、禁止事項を整理します。依頼に書かれていない項目を、想像だけで確定しないことが大切です。
書く前の確認欄
- 誰が読むか:初心者/経験者、利用前/利用中など
- 何に困っているか:選べない、手順が分からない、失敗を避けたいなど
- 読み終えたら何ができるか:比較する、設定する、相談先を選ぶなど
- 今回扱わない範囲:隣接テーマ、別の立場、専門家の個別判断など
「副業に興味がある人」だけでは広すぎます。「初めて受けた案件で知らない用語が多く、納期までに構成を固めたい人」のように、いま困っている場面まで絞ると調査の優先順位が決まります。
2.分からない用語と、用語同士の関係を調べる
意味の分からない言葉は、先に一覧にします。定義だけでなく、「誰が使うか」「何と違うか」「前後にどの工程があるか」も確認しましょう。似た言葉を同じ意味として扱うと、記事全体の前提がずれてしまいます。
まず公式の用語集や担当機関の説明で全体像をつかみ、その後に実務者の解説で具体的な場面を補います。専門用語を減らすために意味まで変えてしまわないよう、初心者向けの言い換えと正式な名称をメモしておくと便利です。
3.検索結果は疑問の発見に使い、根拠は元資料までたどる
検索上位の記事は、読者が知りたがる論点の発見に役立ちます。ただし、複数の記事が同じ説明をしていても、共通の古い資料を参照している可能性があります。掲載順位や記事数だけで正しさを判断しないようにします。
サービスの仕様は運営元、制度は担当機関、調査結果は調査主体の資料を優先して確認します。そのうえで、公開日・更新日、対象者、適用条件を見ます。公式資料でも別プランや旧制度の説明なら、今回の記事の根拠として使えないことがあります。
4.見出しごとの調査メモを作る
資料のURLを集めるだけでは、執筆時にもう一度読み直すことになります。どの疑問を解決するために、その資料を使うのかを残しましょう。下の表は、そのまま項目をコピーして使える調査メモです。
| 項目 | 記入する内容 |
|---|---|
| 読者の疑問 | この見出しで答える問いを一文で書く |
| 確認した事実 | 資料で裏付けられたことだけ。推測と混ぜない |
| 出典と確認日 | ページ名、URL、該当箇所、確認した日 |
| 対象・条件 | 誰に当てはまるか。プラン、時点、例外など |
| 本文に使う理由 | 読者の判断や行動にどう役立つか |
| 未確認事項 | 調べ直すこと、依頼者に聞くこと |
数字は、単位・集計期間・対象も一緒に記録します。「平均」なのか「一部の事例」なのかで、本文の書き方は変わります。自分の感想や提案は、確認済みの事実とは別欄に置くのがおすすめです。
5.「説明・理由・具体例・次の行動」で構成を点検する
見出しごとに、結論だけでなく理由と具体的な確認方法を用意します。次の四つを口頭で説明できないなら、本文を書き始める前に調査不足を疑ってください。
- 何を伝えるのか
- なぜその読者に必要なのか
- どの条件・場面で当てはまるのか
- 読者は何を確認し、次にどう動くのか
例外を増やしすぎて分かりにくくなる場合は、今回の読者に必要な範囲を本文で説明し、それ以外は「個別確認が必要」と分けます。理解できない例外を、分かったふりで言い切る必要はありません。
6.残った不明点は、質問にして確認する
調べても分からないときは「何も分かりません」ではなく、調べた内容と未確認事項を分けて伝えます。クライアント固有の運用や社内基準は、公開情報を探し続けても解決しないことがあります。
確認メッセージの例(読者向けテンプレート)
今回の記事は〇〇を検討している初心者向けと理解しています。公開資料ではAの説明を確認できましたが、御社の運用としてBを案内してよいか判断できませんでした。本文ではAまで説明し、Bは確認後に追記する進め方でよいでしょうか。参考資料:[URL・該当箇所]
専門家の監修が必要な内容なら、その要否や担当者も確認します。特に法律・医療・税務などで個別の判断が必要な話を、調査しただけで自分の専門判断として示すのは避けましょう。
リサーチが終わらないときは、調査量より未解決の問いを見る
「何サイト読めばよいか」に共通の正解はありません。私が勧めたい終了基準は、資料の数ではなく、記事の主要な問いに根拠付きで答えられるかどうかです。
| 状態 | 次の対応 |
|---|---|
| 主要な疑問に答えられ、出典と条件も説明できる | 構成を固めて本文へ。執筆中に必要な点だけ追加調査 |
| 資料同士で説明が食い違う | 時点・対象・定義の違いを確認。未解決なら断定しない |
| 依頼者の方針が不明 | 仮の前提を添えて質問する |
| 専門判断を求められ、自力では担保できない | 監修や担当範囲を相談。対応困難なら受注条件を見直す |
検索する時間、メモを整理する時間、構成を書く時間を分けると、どこで止まっているかが見えます。納期が近いときほど、調査不足を隠して本文を埋めるより、早めに不足点を共有する方が現実的です。
ChatGPTに整理を手伝ってもらっても、調査済みにはならない
AIに用語や疑問の候補を出してもらうことと、その内容を検証することは別の作業です。回答に書かれた制度・数字・事例は、出典が実在するか、該当箇所にその説明があるかを自分で確認します。
また、依頼者の未公開資料や個人情報を、許可なく外部サービスへ入力しないようにしてください。AI利用の可否は案件ごとのルールに従います。納品前の確認方法は、ChatGPTで書いた記事のファクトチェック手順にまとめています。
調べても文章が薄いままなら、学び方を見直す
出典は集められているのに、読者の立場に合わせて説明できない場合は、検索量より構成や文章へのフィードバックが必要かもしれません。一方、用語そのものが分からないなら、まずその分野の基礎資料を読む方が先です。課題によって、必要な学習は異なります。
私は独学だけでライティングを身につけたわけではなく、2020年ごろにweb+の旧コースを受講し、SEO・ペルソナ・検索意図などを学びました。スクールには賛成ですが、未知の分野を調べる作業まで不要になるわけではありません。添削を学びに変える考え方は、約30記事を添削してもらった受講経験をご覧ください。
まとめ|まず一つの見出しで、調査メモを完成させよう
未経験ジャンルでは、詳しい言葉を増やすよりも、今回の読者が判断できる説明を作ることが大切です。対象を絞り、元資料を確認し、分からないことは分からないまま残して確認します。
今日やること
いま担当している記事の見出しを一つ選び、「読者の疑問・根拠・対象条件・未確認事項」を埋めてください。埋まらない欄が、次に調べるべき内容です。
副業を始めたばかりで、学習や案件選びの優先順位も整理したい場合は、副業・フリーランスの無料相談案内をご覧ください。顧客の原稿や秘密情報を共有する必要はありません。法律などの専門判断ではなく、私の経験をもとに進め方を一緒に整理する場です。


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